天山石の故郷は佐賀県松浦郡七山村(現在の唐津市)。日本の原風景が広がる自然豊かな場所で、古代邪馬台国伝説が伝えられる地でもあります。
同じく佐賀県内の牛津町砥川地区は、古くから石工の里として知られ、「砥川石工」と呼ばれる人々が石の加工品などを手がけてきた歴史があります。また、元禄時代を中心に平川与四衛門など優れた石工を輩出しており、彼らが手がけた石造物はこの地方に今も数多く残されています。それらの石材は七山村で採石され、牛津まで運んだものと推測されています。
天山石は日本でも一二を争う硬度と低吸水率を誇る極めて堅牢な石で、経年による品質の衰えが少ないため、墓石にも好んで用いられます。
写真は採石元のひとつである天山石材株式会社の丁場です。採石現場には巨大な玉状の石が埋まっており、それらが重機で掘り起こされる様はまさに圧巻です。
閃雲花崗閃緑岩 | |
この地方は古くから石工の里として知られており、江戸時代には唐津城築城に使用されるなど長い歴史を誇るが、全国的にその名が知られ本格的に採石が始まったのは昭和40年以降。 | |
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唐津城の石垣 | |
理想の墓石の三条件である「硬度が高い」「吸水率が低い」「変色しない」を満たす。透明度が高い美しい青色に加え、経年劣化に非常に強いため、墓石としての需要も近年さらに高まりを見せている。 |