茨城県西部の筑波三山(筑波山・加波山・足尾山)から採石される真壁石。加波山の西麓には「真壁石」の名前の由来となった桜川市真壁町があります。この地域からは石器時代の石器や石棺が出土しており、「6千万年前に起源を持つ」とされる真壁石が、太古の昔より人々の営みとともにあったことが読み取れます。
明治以降に本格的な採石が始まり、首都圏から最寄りの大規模産地ということもあり、日本の近代建築にも多数活用されています。
写真は採石元のひとつである出川工業株式会社の丁場です。こちらの会社では真壁石を「長寿の石」と名付け、全国へ発信しています。
黒雲母花崗岩 | |
鎌倉時代の仏石などが数多く残されており、この頃には石工が存在していたと考えられる。 本格的な採石は明治時代以降。 |
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福沢諭吉、山本五十六、井上馨、川端康成、力道山、菊池寛、中浜万次郎(ジョン万次郎) | |
迎賓館、皇居前広場楠正成台座、日本銀行本店(増築部分)、三越本店ライオン像台座など | |
白色系の上品な色目。一般的に白御影は異なる膨張率を持つ結晶で構成されているためスキマができやすく、そこに入り込んだ水分が凍ったり溶けたりすることで風化しやすいと言われるが、真壁石の中でも目が細い真壁小目石は水の浸透率が極めて低く、風化に強いのが特徴。 産出量が多く比較的流通が容易であることから品質とコストのバランスに優れている。 石目の粒子の大きさの違いから「真壁中目」と「真壁小目」とに分類される。 |